5.出産時の社会保険手続

出産は、自然分娩の場合全額自己負担になります。かなり大きい出費です。出産育児一時金や出産手当金は、健康保険加入者であれば誰でも支給されるものです。出産後、自分で所定の手続きをして(社会保険の場合はお勤めの会社で手続きをします)速やかに支給してもらいましょう。

出産日の翌日から2年を経過してしまうと時効となり支給されなくなってしまうので早めに申請しましょう。

出産時の医療機関への支払いが困難な場合には、この一時金を支払いに充てることも可能なので、最寄の役所へ問い合わせてみてください。申請には、母子手帳・保険証・印鑑・振り込みを希望する通帳などを持参してください。

5-1 出産するともらえる給付金

社員またはその家族が出産すると、立場に応じていろいろな給付金をもらえます。

出産そのものに対する給付金
  • 出産育児一時金
  • 家族出産育児一時金
  • 出産手当金
育児休業に対する給付金
  • 育児休業基本給付金
  • 育児休業者職場復帰給付金
出産の際に退職する場合
  • 失業等給付(受給期間の延長)
    出産後、就職しようという積極的な意思といつでも就職できる能力がある場合

5-2 健康保険の手続き

社員またはその家族が出産した際に、健康保険からの給付金をもらうための手続きをみてみましょう。

出産育児一時金・家族出産育児一時金

出産育児一時金は被保険者が、家族出産育児一時金は被扶養者が、それぞれ妊娠4か月以上で出産した場合に支給されます。書類は健康保険組合、もしくは各市町村役場保険課へ提出します。

提出書類 届出期間 支給額
健康保険 被保険者・家族出産育児一時金請求書 出産の翌日から2年以内 30万円
健康保険組合や自治体によってはこれ以上の場合もあります

☆家族出産育児一時金は、被保険者が死亡した後の出産や、被保険者が会社をやめた後の出産については、支給されません。

出産手当金

健康保険の被保険者(任意継続被保険者を含む)が、出産の日以前42日から出産の日後56日までの間に、給与が支給されなかった場合に支給されます。出産日が出産予定日より遅れた場合、その分も出産手当金は支給されます。書類は健康保険組合、もしくは社会保険事務所へ提出します。

提出書類 届出期間 支給額
健康保険 被保険者・家族出産手当金請求書 出産の翌日から2年以内 標準報酬日額の6割